2019.1.1に始まった香川照之さんが編集長を務めるトヨタイムズの取材は丸1年経過。節目となった今回は、豊田社長との車中ロングインタビュー。
香川編集長の夢だった社長の運転で、社長のマイカーで。
豊田章男社長曰く、「車のハンドルを握ると正直になる」ということで、このインタビューは人柄が強く出ている”本音”を語られている。
⦿現場まで一貫する『安心と安全』の意志
取材の中で一番聞いた言葉は、安心と安全。
トヨタ自動車は創業から常に”もっと良いクルマ”を目標に掲げている。人によって”良いクルマ”の意味合いは変わってしまうが、どんな条件でも絶対に譲れない部分がある。それが『安心と安全』。
現場社員にインタビューをした際も、安心と安全という言葉が出ていた。当たり前のことのようだが、実際にこのインタビューを目にした豊田社長の「嬉しい、ありがたい」という言葉はすごく重く感じた。社員にしっかりと想いが伝わっていた。
一貫した意思疎通は立場だけでなく、人柄など色々な要素が必要で簡単なことではない。
⦿真実を知るための努力
『トヨタ自動車のトップダウンは、
 トップが下に降りること』
社長は難しい決断をするのが仕事だが、真実を基準に判断しなければならない。しかし、その真実は社長からは遠い場所にある。現場や商品、顧客の近く、真実を知るための努力が必要だと語る豊田社長。
モノづくりではよく言われる現場主義だが、社長が現場の声を聴くのは難しい。その間にはいくつもの層があり、耳に届いた際には少なからず真実はねじ曲がっている。大企業になればなるほどそうなるものだろう。
トップが真実を知る努力、現場、顧客の声を直接聴く努力はこれからの時代、特に求められることだろう。
⦿選択肢を未来に与えたい
来るべき時に選択肢を与えられるようにしたい
コモディティ化される車産業であるが、トヨタ自動車は自身の味にこだわりを持っている。”真実”を基準にしている商品を作っている以上、そのこだわりは残したい。ものづくりの人間が見え隠れする一面だ。
今後、大部分が電気自動車や水素自動車など大きく時代が変わるだろう。それでも昔ながらのガソリン車が好きな人もいる。選択肢を残すというのも、顧客目線からなのであろう。
トヨタ自動車は未来のモビリティに対して、こんなこだわりがある。
「すべての方に移動の自由を、
   すべての方にfun to drive」
未来は誰にもわからない、未来はこうだ!と決めつける気もない。だったら今のうちにみんなで一緒にやってみようじゃないか。トヨタ自動車だけではできない、顧客からの声も必要。真実を基準とした選択肢が大事。フルラインメーカー、トヨタ自動車の強みで未来を始動させる。
豊田社長が好きな車は、「うるさくて、ガソリン臭い車」
選択肢は自分のために残したかったのかもしれない。

  












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