『子供向けコンテンツに関する規約を改訂する』
正月休みを終えた1月6日、YouTubeから発表された
親会社のGoogleが児童オンラインプライバシー保護法違反(COPPA)の申し立てを受けたためだ。
簡単に言うと、『クリエイター(動画投稿者等)には、子供向けコンテンツかどうかを申告することを義務付ける』ということ。YouTubeは子供から大人まで誰もがかかわる一大コンテンツ、そこで活躍するYouTuberは日本の小学生(男子)のなりたい職業1位となるほど影響は大きい。この改訂がどんな影響を受けるのかを考察してみた。
⦿改訂後の影響
- YouTubeの広告収入に最大5000万ドル(約54憶円)の影響を与える
 
これは、子供向けコンテンツはターゲット広告などの機能は通用されないためだ。今まで通常にアップしていた動画が子供向け動画と判断されれば、単純に広告を出す機会が減る。必然とYouTube及びYouTuberの収入機会が減ってしまう。
- YouTuberに法的なリスクをもたらす
 
YouTuberは収入の大部分が広告収入であるので、当然広告は出したい。そのため、広告の出ない子供向けコンテンツにしたくないのは当たり前のこと。しかし、今回の改定ではっきりと【COPPAに違反すると個々に罰金が科される】と書かれている。つまり、一人ひとりに責任を課されることとなった。
⦿改訂後の問題点
- 法的なリスクについて
 
COPPAによると子供向けの動画、また子供向けかどうかを判断する要素というのがあるが、ここが大変グレーである。YouTuber自身で判断をしなくてはならないため、人によっての解釈が異なってしまう。「これは大丈夫」と思っていても「子供向け動画」と判断されてしまえば違反とみなされる。収入に余裕があるYouTuberなら安全策をとることもあるだろうが、YouTubeである程度の収入を得ている人は多くはない。そういう人は大丈夫だと判断してしまうこともあるだろう。
2019年11月にポケモンの新作が出た時に私自身も見ていたLive動画でこんなシーンがあった。動画配信者は発売と同時に”視聴者と共に”プレイする。するとチャットでこんな発言が。
「ポケモンは子供向け動画だから、広告収入は無いんですか?」
動画配信者は「そうなの?」と、知らなかったのかは不明だが、質問の答えは出ずに流れてしまった。しかし、私も同じ反応だった。ポケモンというフレーズはたしかに子供向け動画のように感じるが、いまや大人も普通にプレイする。どちらなのか、、、この答えはいまだにわからない。
このように、検討したうえでもわからないということが多く出てくるんではないか。もし罰則を受ければイメージの問題や規制など動画を上げにくくなってしまうこともあるだろう。そんな葛藤のなか、どちらを選ぶのだろうか。ちなみに、YouTubeからはこんな一言も添えられている。
【YouTubeは法的なアドバイスはできません】・・・と。
- 年齢確認について
 
現時点では13歳未満(COPPAによると子供の定義は13歳未満。国によっての定義を考慮する)のYouTube視聴者を正確に確認できない。10歳の子は本来ならYouTube kidsまでの利用しか認められていないが、アカウント作成の際、適当に15歳で登録することができ視聴できる。アカウントが無くても視聴は可能だ。本来、COPPAの目的は【子供向けサイトに規制を課すことでインターネット上の安全を守ろうとする法律】だが、全く目的を果たしていない。
結局のところ、問題解決には遠く、しばらくのあいだはYouTuberはグレーゾーンに頭を悩ませ、罰せられる人、罰せられない人が出てきたりと問題が起こるだろう。

  












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