芸能人がYouTubeに続々と参入している。昨年10月に人気グループ「嵐」のユーチューブチャンネルの登録者は瞬く間に約250万人を超えた。今まで地道に動画をアップし続けるユーチューバーにとっては脅威かもしれない。お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」の中田敦彦が開設した「YouTube大学」や芸能人ユーチューバーのさきがけとされるお笑いコンビ「キングコング」の梶原雄太など、芸能人でありながらテレビとは異なる制作スタンスがユーザーに受け入れられるという成功パターンも出て来た。
こうした成功を受けて、多くの芸能人がYouTubeに参入し始めているが、多くの芸能人がもともと素人のユーチューバーに遠く及ばないチャンネル登録者という現実に直面し、未更新や撤退という状況に至っている。
なぜ、そうなるのか?
テレビと大きくスタンスが異なるのが、出来る限り、長く見せることでCM視聴機会を増やすという番組制作の基本が、YouTubeには通じないということだ。YouTubeの場合は基本スマホで、同時にLINEやInstagramなどのメディアとの相乗り視聴であるがゆえに、いかに手短に楽しめるか、立ち上がりに要点を伝えるかなどの独自の制作の基本が存在する。そうした制作スタンスの違いに加えて、テレビでは伝えられないような素顔や本音を発信することで、視聴者とのエンゲージメント(共感)を得る、という要素も重要である。
そういった状況の中で、再生回数を増やそうとするために、危険な行為を犯したり、人権を無視するような発言やプライバーシーを侵害するような常軌を逸したコンテンツが投稿されることがあるように、芸能人の中にも、そういった刺激的なコンテンツや、重大発言をかつてのTwitterのようにYouTubeで発言、投稿する芸能人が増えて来ている。
昨日もまたこんな投稿があった。
「加藤紗里、YouTubeで妊娠を発表「シングルマザーとして育てていく」 
父親については「分からない」と答えるシーンも
3カ月でスピード離婚していた加藤さん。
 タレントの加藤紗里が1月19日、2019/11/29に開設した自身のYouTubeチャンネル「加藤紗里【情熱的に欲張りで美しく】」を通して妊娠したことを車中で発表。加藤さんは離婚を発表したばかりで、「シングルマザーとして頑張ります」と。
本原稿を書く7時間前に投稿され、再生回数は65,230 回視聴と順調のようだが、やはりヒール役ゆえか、よくないねが2205件にも及んでいる状況。とはいえ本人の狙いは、未だチャンネル登録者数が1万人弱を増やしたいということであれば、まずはこれによるチャンネル認知は進むことだろう。しかし、こうした芸能人の狙いありきのミエミエ投稿が増えてきては、芸能人にとってのユーチューバーはますます遠い存在になる気がするのだが。

  







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