Googleという巨大プラットフォームと連携したゲーム事業の怖さ
Googleのゲーム開発者イベントGDC 2019で、Googleがうわさのゲームサービスを発表。プラットフォームの名称は『STADIA』(スタディア、ステイディア)。
Google CEOのスンダルピチャイ氏による開幕挨拶を引き継いでSTADIAを発表したのは、ゲーム業界の重鎮フィル・ハリソン氏。欧州プレイステーションの幹部、マイクロソフトやInfogramsを経てGoogleのゲーム部門責任者だ。
Googleが提供したのは、使用デバイスに依存しないクラウド型のゲームサービス。Googleのデータセンターでゲームを動かし動画として配信することで、スマホやタブレット、PC、スマートTV、Chromecastなどデバイスを問わず、本格的なゲーミングPC以上のクオリティのゲームを、低遅延ですぐに遊べるストリーミングゲームプラットフォームという訳だ。この記者発表同日、任天堂やソニーなどのゲーム機を抱えるメーカーの株価が下落するという、市場からもGoogleの新ゲームサービスは革命的にとらえられたようだ。(ソニー株は一時前日比4.5%安の4895円と続落し2月13日以来、1カ月ぶりの安値。任天堂株も4.6%安の3万50円まで下落)
大きな脅威となるのがGoogleという巨大プラットフォームとの連携ということだ。
Googleが保有するのは、個人単位の趣味趣向情報(サイト閲覧など)を保有するだけでなく、スマートフォンの稼働状況などからユーザーの隙間時間や動画閲覧などの生活時間まで保有している。この二つの情報だけでも組み合わせれば、最適なゲーム誘導が可能となる。
YouTube接触時間世界最大のプラットフォームと連携する怖さも
YouTube と簡単に統合できる さらにYouTubeという接触時間世界最大のプラットフォームと連携する。たとえばYouTubeのゲーム予告編やプレイ動画から「今すぐプレイする」ボタンを押せば、ダウンロードやインストールの手間なく、動画再生のようにその場でフルクオリティのゲームが遊べてしまう。 イベントではYouTubeとの連携サービスをいくつか発表した。「Crowd Play」は、YouTubeのゲームプレイ動画や実況などのクリエーターが使える機能。ゲーム実況中に「一緒に遊ぶ」ボタンを押すことで、ゲーム機やPCで別にゲームを立ち上げる必要なく、配信者とチャットルームの気軽さで一緒にゲームができるという。「State Share」もYouTubeなどゲームをプレイする配信者・クリエーター向けの機能。STADIAのゲームはデータセンターで動いているため、配信者がゲーム中の特定のシチュエーションや状態をセーブして、そのままほかのプレーヤーが遊べるように共有可能。セーブデータ配信がシームレスになったようなもので、たとえばゲーム配信者がゲーム中で作ったステージはもちろん、絶体絶命のシチュエーションなどを切り取って、ほかの視聴者 / プレーヤーに遊ばせることもできる。ゲーム動画配信者はゲームと自分を素材に、動画のかたちで作品を作ることからクリエーターと言われますが、STADIAではゲーム内での状況自体を作品化して、映像を見せるだけでなくオーディエンスに実際に体験させることが可能に。 STADIAの「Play Now」ボタンはYouTubeだけでなく、通常のリンクやEmbedとしてほかのあらゆるウェブサービスやメール、SNSなどに追加できる。それゆえにFBやインスタグラムでこのゲーム面白いよと拡散のスピードも早い。 STADIAのサービス開始は2019年。まずは米国、カナダ、英国、欧州の一部から。
今後注目すべきはこのゲームプラットフォーム上での開発パートナーにどういう企業が参画するのかということ。
また価格体系についても、月額課金のサブスクリプション型なのか?ゲーム単位のコンテンツ課金なのか?
いずれにせよYouTubeプレミアムに続く新しいGoogleの収益モデルとしても注目したい。
また新たなGoogleのゲームエリアということで、それらをコンテンツとした新たなユーチューバーの出現にも期待したい。

  











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